日本人に「朝にドラマを見る」ということを習慣づかせたNHKの朝ドラ。
その長い歴史のなかには、様々な名作が生み出されてきました。
ヒロインの波乱万丈の人生を描いた作品が定番よね。
脚本家のオリジナルストーリーや実在する人物をモデルにした作品も多いんだよ。
この記事では、朝ドラなかで実在のモデルがいる作品を第1作からまとめてみました。
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【歴代の朝ドラ実在モデル一覧】あの主人公はアノ人だった!
第1作-第10作(1961-1970)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
1作 1961 |
娘と私 | 小説家 獅子文六 |
北沢彪 |
2作 1962 |
あしたの風 | 壺井栄・短編集他 | 渡辺富美子 |
3作 1963 |
あかつき | 武者小路実篤「暁」他 | 佐分利信 |
4作 1964 |
うずしお | 林芙美子「うず潮」「放浪記」 | 林美智子 |
5作 1965 |
たまゆら | 川端康成 書き下ろし |
笠智衆 |
6作 1966 |
おはなはん | 随筆家 林謙一の母 |
樫山文枝 |
7作 1967 |
旅路 | 平岩弓枝 「旅路」 |
横内正 日色ともゑ |
8作 1968 |
あしたこそ | 作家 森村桂 |
藤田弓子 |
9作 1969 |
信子とおばあちゃん | 獅子文六「信子とおばあちゃん」 | 大谷直子 |
10作 1970 |
虹 | 田中澄江・脚本 | 南田洋子 |
8作目の『あしたこそ』のモデルになった森村桂さんってどんな人なんだろう?
女流作家で、森村さんのニューカレドニア旅行の体験を描いた旅行記『天国にいちばん近い島』が『あしたこそ』の原作になっているんだ。この本は、原田知世主演で映画化もされたんだよ。
第11作-第20作(1971-1977)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
11作 1971 |
繭子ひとり | 三浦哲郎「繭子ひとり」 | 山口果林 |
12作 1972 |
藍より青く | 山田 太一・脚本 | 真木洋子 |
13作 1973 |
北の家族 | 楠田芳子「北の家族」 | 高橋洋子 |
14作 1974 |
鳩子の海 | 林秀彦「鳩子」3部作 | 斉藤こず恵 藤田美保子 |
15作 1975前 |
水色の時 | 石森史郎・脚本 | 大竹しのぶ |
16作 1975後 |
おはようさん | 田辺聖子「甘い関係」 | 秋野暢子 |
17作 1976前 |
雲のじゅうたん | 田向正健・脚本 | 浅茅陽子 |
18作 1976後 |
火の国に | 石堂淑朗・脚本 | 鈴鹿景子 |
19作 1977前 |
いちばん星 | 歌手 佐藤千夜子 |
高瀬春奈 五大路子 |
20作 1977後 |
風見鶏 | パン職人 ハインリヒ・フロインドリーブ(ヒロイン夫) |
新井春美 |
20作目の『風見鶏』は、日本でパン屋を開店させたドイツ出身のパン職人がモデルなんだってね。
ハインリヒは、敷島製パンの初代技師長になり、結婚した日本人の女性がヒロインのモデルになったよ。また舞台となった神戸市の異人館に観光客が多く訪れて「異人館ブーム」を起こしたんだ。
第21作-第30作(1978-1982)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
21作 1978前 |
おていちゃん | 女優 沢村貞子 |
友里千賀子 |
22作 1978後 |
わたしは海 | 岩間芳樹・脚本 | 相原友子 |
23作 1979前 |
マー姉ちゃん | 長谷川町子の姉 毬子 |
熊谷真実 |
24作 1979後 |
鮎のうた | 花登筺・脚本 | 山咲千里 |
25作 1980前 |
なっちゃんの写真館 | 写真家 立木義浩の母 |
星野知子 |
26作 1980後 |
虹を織る | 秋田佐知子・脚本 | 紺野美沙子 |
27作 1981前 |
まんさくの花 | 高橋正圀・脚本 | 中村明美 |
28作 1981後 |
本日も晴天なり | アナウンサー 近藤富枝 |
原日出子 |
29作 1982前 |
ハイカラさん | 大藪郁子・脚本 | 手塚理美 |
30作 1982後 |
よーいドン | 杉山義法・脚本 | 藤吉久美子 |
23作目『マー姉ちゃん』は、サザエさんを生み出した漫画家・長谷川町子さんのお姉さんをモデルにした物語なんだね。
姉の鞠子さんも洋画家の藤島武二さんに弟子入りし、売れっ子女流挿絵画家になるなど絵の才能があった人なんだ。長谷川町子さんの「サザエさん」出版に尽力した頼れるお姉さんだったみたいだね。
第31作-第40作(1983-1988)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
31作 1983 |
おしん | 橋田壽賀子・原作 | 小林綾子 田中裕子 乙羽信子 |
32作 1984前 |
ロマンス | 田向正健・脚本 | 榎木孝明 |
33作 1984後 |
心はいつもラムネ色 | 漫才作家 秋田實 |
新藤栄作 |
34作 1985前 |
澪つくし | ジェームス三木・脚本 | 沢口靖子 |
35作 1985後 |
いちばん太鼓 | 井沢満・脚本 | 岡野進一郎 |
36作 1986前 |
はね駒 | 都市社会学者 磯村英一の母 |
斉藤由貴 |
37作 1986後 |
都の風 | 重森孝子・脚本 | 加納みゆき |
38作 1987前 |
チョッちゃん | 黒柳徹子の母 黒柳朝 |
古村比呂 |
39作 1988後 |
はっさい先生 | 大阪府立第十一中学校 女教師 |
若村麻由美 |
40作 1988前 |
ノンちゃんの夢 | 佐藤繁子・脚本 | 藤田朋子 |
38作目の『チョッちゃん』は、黒柳徹子さんのお母さんがモデルだったんだね。
原作『チョッちゃんが行くわよ』は、ユーモラスな子育ての様子が描かれた黒柳朝さんの自叙伝で、ベストセラーになった作品なんだ
第41作-第50作(1988-1994)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
41作 1988後 |
純ちゃんの応援歌 | 布勢博一・脚本 | 山口智子 |
42作 1989前 |
青春家族 | 井沢満・脚本 | いしだあゆみ 清水美砂 |
43作 1990後 |
和っこの金メダル | 重森孝子・脚本 | 渡辺梓 |
44作 1991 |
凛凛と | 工学者 川原田政太郎 |
田中実 |
45作 1992前 |
京、ふたり | 竹山洋・脚本 | 山本陽子 畠田理恵 |
46作 1992後 |
君の名は | 菊田一夫「君の名は」 | 鈴木京香 倉田てつを |
47作 1993前 |
おんなは度胸 | 橋田壽賀子・脚本 | 泉ピン子 桜井幸子 |
48作 1993後 |
ひらり | 内館牧子・脚本 | 石田ひかり |
49作 1994前 |
ええにょぼ | 東多江子・脚本 | 戸田菜穂 |
50作 1994後 |
かりん | 松原敏春・脚本 | 細川直美 |
この時代は、実在モデルが少ないなぁ。工学者の川原田政太郎って?
大正時代にイギリスに留学しテレビジョンに出会い感銘を受けて、日本でテレビを開発した第一人者なんだよ。
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第51作-第60作(1994-1999)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
51作 1994前 |
ぴあの | 冨川元文、宮村優子・脚本 | 純名里沙 |
52作 1994後 1995前 |
春よ、来い | 脚本家 橋田壽賀子 |
安田成美 中田喜子 |
53作 1995後 |
走らんか! | 長谷川法世「博多っ子純情」 | 三国一夫 |
54作 1996前 |
ひまわり | 井上由美子・脚本 | 松嶋菜々子 |
55作 1996後 |
ふたりっ子 | 大石静・脚本 | 岩崎ひろみ 菊池麻衣子 |
56作 1997前 |
あぐり | 美容家 吉行あぐり |
田中美里 |
57作 1997後 |
甘辛しゃん | 宮村優子、長川千佳子・脚本 | 佐藤夕美子 |
58作 1998前 |
天うらら | 門野晴子「寝たきり婆あ、たちあがる!! 女四代、「極楽」の日々」 | 須藤理沙 |
59作 1998後 |
やんちゃくれ | 中山乃莉子、石原武龍・脚本 | 小西美帆 |
60作 1999前 |
すずらん | 清水有生・脚本 | 遠野凪子 |
52作目「春よ、来い」は、朝ドラの脚本も多く執筆している橋田寿賀子さんの半生が描かれた作品だったんだね。
戦争や自殺未遂、結婚など紆余曲折を経て脚本家になるまでの物語で1994後期~1995前期まで1年間放送されたんだよ。
第61作-第70作(1999-2005)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
61作 1999後 |
あすか | 鈴木聡・脚本 | 竹内結子 |
62作 2000前 |
私の青空 | 内館牧子・脚本 | 田畑智子 |
63作 2000後 |
オードリー | 脚本家・女優 大石静 |
岡本綾 |
64作 2001前 |
ちゅらさん | 岡田惠和・脚本 | 国仲涼子 |
65作 2001後 |
ほんまもん | 西荻弓絵・脚本 | 池脇千鶴 |
66作 2002前 |
さくら | 田渕久美子・脚本 | 高野志穂 |
67作 2002後 |
まんてん | マキノノゾミ・脚本 | 宮地真緒 |
68作 2003前 |
こころ | 青柳祐美子・脚本 | 中越典子 |
69作 2003後 |
てるてる家族 | なかにし礼「てるてる坊主の照子さん」 | 石原さとみ |
70作 2004前 |
天花 | 竹山洋・脚本 | 藤澤恵麻 |
『オードリー』のモデル大石静さんは、『ふたりっ子』の脚本も担当しているんだね。
現在活躍している俳優の内野聖陽さん、佐々木蔵之介さん、長谷川博己さんは大石静さんに抜擢され世に出たんだよ。俳優の素質を見抜く力もあるんだね。
第71作-第80作(2004-2009)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
71作 2004後 |
わかば | 尾西兼一・脚本 | 原田夏希 |
72作 2005前 |
ファイト | 橋部敦子・脚本 | 本仮屋ユイカ |
73作 2005後 |
風のハルカ | 大森美香・脚本 | 村川絵梨 |
74作 2006前 |
純情キラリ | 津島佑子「火の山―山猿記」 | 宮崎あおい |
75作 2006後 |
芋たこなんきん | 小説家 田辺聖子 |
藤山直美 |
76作 2007前 |
どんど晴れ | 小松江里子・脚本 | 比嘉愛未 |
77作 2007後 |
ちりとてちん | 藤本有紀・脚本 | 貫地谷しほり |
78作 2008前 |
瞳 | 鈴木聡・脚本 | 榮倉奈々 |
79作 2008後 |
だんだん | 森脇京子・・脚本 | 三倉茉奈 三倉佳奈 |
80作 2009前 |
つばさ | 戸田山雅司・脚本 | 多部未華子 |
75作目『芋たこなんきん』のモデル田辺聖子さん役をえんじた、藤山直美さんの演技は素晴らしかったなぁ。
田辺聖子さんといえば、池脇千鶴さん&妻夫木聡さんが出演し、ヒットした映画『ジョゼと虎と魚たち』の原作者でもあるよ。
第81作-第90作(2009-2014)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
81作 2009後 |
ウェルかめ | 相良敦子・脚本 | 倉科カナ |
82作 2010前 |
ゲゲゲの女房 | 漫画家水木しげるの妻 武良布枝 |
松下奈緒 |
83作 2010後 |
てっぱん | 寺田敏雄・脚本 | 瀧本美織 |
84作 2011前 |
おひさま | 岡田惠和・脚本 | 井上真央 |
85作 2011後 |
カーネーション | ファッションデザイナー 小篠綾子 |
尾野真千子 夏木マリ |
86作 2012前 |
梅ちゃん先生 | 尾崎将也・脚本 | 堀北真希 |
87作 2012後 |
純と愛 | 遊川和彦・脚本 | 夏菜 |
88作 2013前 |
あまちゃん | 宮藤官九郎・脚本 | 能年玲奈 |
89作 2013後 |
ごちそうさん | 料理研究家 辰巳浜子 小林カツ代 |
杏 |
90作 2014前 |
花子とアン | 日本語翻訳者 村岡花子 |
吉高由里子 |
漫画家水木しげるさんの奥さんがモデルの『ゲゲゲの女房』は大ヒットしたよね!実在モデルの武良 布枝さんも注目され紅白の審査員も務めたんだよ。
ファッションデザイナー“コシノ三姉妹”を育てた小篠綾子さんがモデルの『カーネーション』は、「数ある朝ドラの傑作」と評価の高い作品だよね。
第91作-第100作(2014-2019)
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
91作 2014後 |
マッサン | ニッカウヰスキー創業者 竹鶴政孝・リタ |
玉山鉄二 |
92作 2015前 |
まれ | 篠﨑絵里子・脚本 | 土屋太鳳 |
93作 2015後 |
あさが来た | 実業者 広岡浅子 |
波瑠 |
94作 2016前 |
とと姉ちゃん | 編集者 大橋鎭子 |
高畑充希 |
95作 2016後 |
べっぴんさん | ファミリア創業者 坂野惇子 |
芳根京子 |
96作 2017前 |
ひよっこ | 岡田惠和・脚本 | 有村架純 |
97作 2017後 |
わろてんか | 吉本興業創業者 吉本せい |
葵わかな |
98作 2018前 |
半分、青い。 | 北川悦吏子・脚本 | 永野芽郁 |
99作 2018後 |
まんぷく | 日清食品創業者 安藤百福・仁子 |
安藤サクラ |
100作 2019前 |
なつぞら | アニメーター 奥山玲子 |
広瀬すず |
『あさが来た』や『まんぷく』、『なつぞら』などを見てると「実在する人は、どんな人だったんだろう」と興味が湧くよね。
『マッサン』のモデルでニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝の妻・リタさんは外国人なので、シャーロット・ケイト・フォックスさんが外国人として初めて朝ドラのヒロインを務めたんだよ。
第101作
作/年 | タイトル | 実在モデル/原作 | ヒロイン |
101作 2019後 |
スカーレット | 陶芸家 神山清子 |
戸田恵梨香 |
102作 2020前 |
エール | 作曲家 古関裕而 |
窪田正孝 |
103作 2020後 |
おちょやん | 女優 浪花千栄子 |
杉咲花 |
ここ最近は、実在する人物をモデルとした作品が多いね。
実話が下地にあったほうが、ドキュメンタリーのように説得力があるから、視聴者も作品に入り込みやすいからというのもあるよ。
最近は実在モデルの朝ドラの方が視聴率がいい?
2000年以降の視聴率上位のものの中で、実在する人物をモデルとした作品のタイトルを赤字にしてみました。
2000年以降の朝ドラ視聴率ランキング
順位 | タイトル | 平均視聴率 |
13位 | なつぞら | 21% |
12位 | マッサン | 21.1% |
11位 | こころ | 21.3% |
10位 | まんぷく | 21.4% |
9位 | べっぴんさん | 21.6% |
8位 | ちゅらさん | 22.2% |
7位 | ごちそうさん | 22.3% |
6位 | ほんまもん | 22.6% |
5位 | 花子とアン | 22.6% |
4位 | とと姉ちゃん | 22.8% |
3位 | さくら | 23.3% |
2位 | あさが来た | 23.5% |
1位 | 私の青空 | 24.1% |
結果を見ると視聴率が良い作品のうち、半分以上が実在モデルがいる作品という結果に。
最近は、プライムタイム(午後7~11時)に20%を超える視聴率をとる、朝ドラが一人勝ちの状態です。
しかし2000年~2009年あたりの作品は、平均視聴率が20%をきるものがほとんどで、「芋たこなんきん」以外はオリジナル脚本となっています。
朝ドラが復活した理由の1つには、実在した人物あつかった作品を起用したというのが大きいようです。
例えば、身近なインスタントラーメンをあつかった『まんぷく』を見ていると『どんな人が作ったのだろう』と興味が湧きますよね。
実在した人物の物語の方が、 訴求力 があり視聴者も感情移入しやすいのではないかと考えられます。
最後に
朝ドラの実在モデルを振り返ると、オリジナルストーリーのものにもヒット作は多いですが、最近は実在した人物を描くセミドキュメンタリー風の作品がウケている傾向が見えてきました。
昭和期には、著名な人物を支えた奥さんがモデルのことが多かったですが、90作以降から女性の起業家が目立ってきていますね。
ここ最近の朝ドラ復活の陰には、“実在モデル”の存在が大きいようです。
みなさんも、興味あった作品のモデルとなった人物をぜひ調べてみて下さいね。