【朝ドラ男性主役歴代】過去の男性主演作品はいくつある?

NHKの朝ドラといえば主演女優のキャスティングも楽しみの1つですよね。

しかし、長い朝ドラの歴史のなかで、男性の俳優が主役をつとめたことがあるのをご存知でしょうか。

朝ドラといえば新人女優の“登竜門”というイメージがあるんだけど。
最近ではすでに活躍している女優さんの起用も目立つし、2020年前期の主演は、男性俳優の窪田正孝さんなんだよ。つまり必ずしも新人の女優さんというルールはないんだ。

そこで今回は、朝ドラの中で男性が主役だった作品を歴代でご紹介します。

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朝ドラの男性主役の歴代

作/年 タイトル 男性主演俳優
第1作/1961年 娘と私 北沢彪
第3作/1963年 あかつき 佐分利信
第5作/1965年 たまゆら 笠智衆
第7作/1967年 旅路 横内正
第32作/1984年前期 ロマンス 榎木孝明
第33作/1984年後期 心はいつもラムネ色 新藤栄作
第35作/1985年後期 いちばん太鼓 岡野進一郎
第44作/1990年前期 凛凛と 田中実
第53作/1995年後期 走らんか! 三国一夫
第91作/2014年後期 マッサン 玉山鉄二
第102作/2020前期 エール 窪田正孝
意外にも11作品が、男性主人公なんだ~。
初期は、男女交互に主人公が交代していたんだよ。これから11作品の視聴率や内容を詳しくみてみよう。

第1作(1961年)『娘と私』北沢彪(視聴率不明)

半世紀以上続く朝ドラの記念すべき第1作目の『娘と私』。

留学した主人公がパリの現地の娘・エレーヌと結婚し子供を設けるが、妻は亡くなってしまう。

その後、主人公と娘は2人で日本に帰国し再婚する。

主人公は“私”と表現され、演じた北沢 彪(きたざわ・ひょう)さんの役名はありませんでした。

北沢さんは、朝ドラ第9作目『信子とおばあちゃん』にも出演しています。

第3作(1962年)『あかつき』佐分利信(視聴率不明)

大学教授から画家に転身した男性主人公佐田正之助と、その家族や周囲の人々の生活を描いた物語。

演じた佐分利 信(さぶり しん)さんは、俳優として活躍するかたわら、監督として『慟哭』などの社会派作品を制作しました。

晩年は市川崑監督の『獄門島』了然和尚役、向田邦子脚本のドラマ『阿修羅のごとく』での父親役で迫力ある演技を見せつけました。

第5作(1965年)『たまゆら』笠智衆(視聴率33.6%)

会社を引退した老人が「古事記」を持って旅に出る物語を演じた笠 智衆(りゅう ちしゅう)さん。

『たまゆら』は、文豪・川端康成さんが初めてテレビのために書き下ろした作品でも有名です。

小津安二郎監督に見いだされ、その後も小津作品の常連俳優として活躍しました。

『東京物語』の平山周吉役をはじめ父親役や老人役を一貫して演じた俳優でもありました。

第7作(1967年)『旅路』横内正(視聴率45.8%)

旭川市郊外の神居古潭に暮らす旧国鉄職員と家族の愛を描いた『旅路』。

平均視聴率45.8%を叩き出し、朝ドラ人気の地位を確立しました。

主人公を演じた横内正さんは、『水戸黄門』初代・渥美格之進役、『暴れん坊将軍』初代・大岡忠相役でも知られる俳優さんです。

第32作(1984年前期)『ロマンス』榎木孝明(視聴率39.0%)

明治の終わりに映画に情熱を燃やす若者たちを描いた『ロマンス』。

主人公・加治山平七役を演じた榎木 孝明(えのき たかあき)さんは、本作がデビュー作であり主題歌も担当しました。

フジドラマ『浅見光彦シリーズ』の主役・浅見光彦役でも知られた俳優さんです。

第33作(1984年後期)『心はいつもラムネ色』新藤栄作(視聴率40.2%)

大阪を舞台に戦前・戦後を漫才に生きた男の姿を描いた『心はラムネ色』。

主人公・赤津文平を演じた新藤栄作さんは、元キックボクサーという異例の経歴の持ち主。

関西人には、『ふるさとZIP探偵団』の探偵として親しまれました。

第35作(1985年後期)『いちばん太鼓』岡野進一郎(視聴率33.4%)

大衆劇団を営む一家に生まれた青年が実の母を探しながら大衆演劇のリーダーになっていく物語の『いちばん太鼓』。

主人公・沢井銀平を演じた岡野 進一郎(おかの しんいちろう)さんも、幼少期から父親が所属する前進座の舞台に立っていました。

主人公の設定が似ていることで、オーディションで選ばれたのかもしれませんね。

第44作(1990年前期)『凛凛と』田中実(視聴率33.9%)

大正時代にテレビジョンの開発に尽力した青年と周囲の人々の交流を描いた『凛凛と』。

田中実さんは、高校卒業後に仲代達矢が主宰する無名塾に入りキャリアを積み朝ドラの主人公に抜擢されました。

その後TBSの昼ドラ『温泉へ行こうシリーズ』の武藤健司役で、人気を不動のものにしました。

第53作(1995年後期)『走らんか!』三国一夫(視聴率20.5%)

主人公の青年が、代々博多人形師である家業に反発し、バンドを組みロックの道へ進んでいく・・・。

同級生や思いを寄せる女性と共に悩みながら成長していく姿を描いた物語『走らんか!』。

ちなみに本作では、三国一夫さん演じる前田汐さんの娘役で、若かりし菅野美穂さんが出演しています。

第91作(2014年後期)『マッサン』玉山鉄二(視聴率21.1%)

大正時代にウィスキーの情熱を注いだ男性と国際結婚した女性の半生を描いた『マッサン』。

この作品では、玉山鉄二さんと、シャーロット・ケイト・フォックスさんがW主演を果たしました。

朝ドラで外国人が主演を務めるのは初めてのことでしたが、視聴率は2000年代の中でトップ10に入るなど、健闘しました。

第102作(2020前期)『エール』窪田正孝(視聴率ー)

『マッサン』の玉山鉄二さん以来約6年ぶりに男性の窪田正孝さんが主演を務める『エール』。

激動の昭和を生きた作曲家・古山裕一と、歌手活動をしながら夫を支えた妻・関内音の心温まる物語です。

主人公に抜擢された窪田さんは、朝ドラ主演と聞いて「僕は女性だと勘違いされているのかな?」と思ったそうです(笑)。

それくらい朝ドラの主人公=女性というイメージが定着しているということですね。

『エール』の放送から政府の「働き方改革」により、月曜日から金曜日までの週5回の放送となりました。

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なぜ朝ドラは女性のヒロインに定着したのか

朝ドラの主人公が男性もいたことは分かりましたが、それはごくわずか。

「なぜ朝ドラは女性ヒロインが定着したのか」、「新人女優が起用されるようになったのはなぜか」その疑問に迫ってみたいと思います。

朝ドラが女性ヒロインに定着したわけ

第4作「うず潮」のヒットで朝ドラの土台が確立

朝ドラが女性ヒロインにシフトしていった、きっかけには第4作目の『うず潮』のヒットにありました。

原作は「放浪記」などの作品で知られる大人気作家の林芙美子さんで、ファンはもちろん、林さんの半生をドラマ化したということで彼女を知らない人からも評価され高視聴率(平均視聴率は30.2%、最高視聴率は47.8%)を獲得しました。

この『うず潮』のヒットで、女の一生をテーマに描く土台が出来上がったのです。

また朝の時間にドラマを見れるのは女性が多かったので、共感しやすい女性ヒロインがウケたのかもしれませんね。

新人女優の登竜門になったのは

朝ドラが始まって第14作までは、半年間ではなく1年間の放送でした。

そのため、売れっ子の映画女優は忙しく1年もドラマのためにスケジュールを空けることができず、多くは、大阪で舞台を中心に活躍していた女優さんが出演していました。

最近では、視聴率とクオリティを重視する傾向があり、新人ではなくすでに知名度のある女優さんが起用されています。

最後に

朝ドラの主人公は必ずしも女優さんが起用されるわけではなく、男性も少ないですが主演に抜擢されていることが分かりました。

そして男性が主人公でも視聴率が低いわけではなく、むしろ目新しさがウケて高い視聴率の場合が多かったです。

時代とともに変化してきた朝ドラなので、これから男性の主人公がもっと増えていくかもしれませんね。

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