強くお茶目なヒロインや古き良きヨーロッパや日本の風景、森の精霊など、国内外で長く愛されているジブリ作品。
そこで今回は、歴代ジブリ作品の興行収入をランキング形式でご紹介したいと思います。
- 1 歴代ジブリ作品の興行収入ランキング
- 1.1 【1位】千と千尋の神隠し(2011)308億円
- 1.2 【2位】ハウルの動く城(2004)196億円
- 1.3 【3位】もののけ姫(1997)193億円
- 1.4 【4位】崖の上のポニョ(2008)155億円
- 1.5 【5位】風立ちぬ(2013)120.2億円
- 1.6 【6位】借りぐらしのアリエッティ(2010)92.5億円
- 1.7 【7位】ゲド戦記(2006)76.5億円
- 1.8 【8位】猫の恩返し/ギブリーズ episode2(2002)64.6億円
- 1.9 【9位】紅の豚(1992)47.6億円
- 1.10 【10位】平成狸合戦ぽんぽこ(1994)44.7億円
- 1.11 【11位】コクリコ坂から(2011)44.6億円
- 1.12 【12位】魔女の宅急便(1989)36.5億円
- 1.13 【13位】思い出のマーニー(2014)35.3億円
- 1.14 【14位】おもひでぽろぽろ(1991)31.8億円
- 1.15 【15位】耳をすませば/On Your Mark(1995)31.5億円
- 1.16 【16位】かぐや姫の物語(2013)24.7億円
- 1.17 【17位】ホーホケキョ となりの山田くん(1999)15.6億円
- 1.18 【18位】風の谷のナウシカ(1984)14.8億円
- 1.19 【19位】となりのトトロ/火垂るの墓(1988)11.7億円
- 1.20 【20位】天空の城ラピュタ(1986)11.6億円
- 2 最後に
歴代ジブリ作品の興行収入ランキング
【1位】千と千尋の神隠し(2011)308億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 徳間書店、ディズニー、日テレ、電通、東北新社、三菱商事(東宝) |
観客動員数 | 2350万人 |
『千と千尋の神隠し』の興行収入308億円は日本歴代興行収入第1位を記録し、2019年現在も破られていません。
ちなみに日本歴代興行収入2位は世界興行収入1位を記録したこともある『タイタニック』です。
そんな大作を抑え、みごと1位を記録した『千と千尋の神隠し』を、私は2度も映画館へ見にいきました(笑)。
観客動員数もジブリ作品のなかではトップです。
【2位】ハウルの動く城(2004)196億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 徳間書店、ディズニー、日テレ、電通、三菱商事(東宝) |
観客動員数 | 1500万人 |
『千と千尋の神隠し』に次いでジブリ史上興行収入第2位の記録を樹立した2004年公開の『ハウルの動く城』。
世界的にも作品の評価は高く、多くの賞を獲得しています。
◇ニューヨーク映画批評家協会最優秀アニメーション賞
◇第33回アニー賞の長編映画部門作品賞にノミネート
◇第78回アカデミー賞ノミネート
◇英エンパイア誌「史上最高の映画500本」選出
◇英誌Total Filmの「史上最高のアニメ映画50本」選出
【3位】もののけ姫(1997)193億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 徳間書店、日テレ、電通(東宝) |
観客動員数 | 1420万人 |
宮崎駿監督が構想16年、制作に3年をかけた大作『もののけ姫』は、興行収入193億円をたたき出し、当時の日本映画の興行収入記録を塗り替えました。
スポンサーに電通が付き、大々的に宣伝されたことも大きかったですね。
『金曜ロードショー』で初の地上波放送をされたときは、関東地区で35.1%、西日本地区で40.8%の高視聴率を記録しました。
これは、当時の紅白歌合戦くらいの視聴率に匹敵します。
また、『もののけ姫』の作品からディズニーの出資が始まり、大きな流通ルートを得て、ビデオの出荷本数は2007年5月時点で440万本となりました。
【4位】崖の上のポニョ(2008)155億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 日テレ、電通博報堂、DYMP、ディズニーディーライツ、(東宝) |
観客動員数 | 1200万人 |
『崖の上のポニョ』は公開前から大掛かりなカウントダウンプロモーションが行われました。
公開5日前からは、プロデューサーの鈴木敏夫さんや、主題歌を歌った大橋のぞみちゃんも出演するミニ番組も放送。
その甲斐あって、興行収入は155億円、観客動員数1200万人以上を記録しました。
またアメリカでは、英語吹き替え声優に、ケイト・ブランシェット、マット・デイモンなどが起用されたこともあり、全米で公開された日本アニメ映画の中では第5位となりました。
日本でも有名なハリウッドスターが、声優なんて豪華ですね!
日本でも山口智子さんや所ジョージさん天海祐希さんなど有名人が声優をつとめたことで話題となりましたね!
【5位】風立ちぬ(2013)120.2億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | ディズニー、日テレ、電通、博報堂、DYMP、三菱商事、KDDI、(東宝) |
観客動員数 | 810万人 |
宮崎駿監督の最後の長編アニメ製作ということで注目された『風立ちぬ』。
この時は引退表明していますが、現在、『君たちはどう生きるか』の制作にあたっている宮崎監督(笑)。続けてくれてよかった。
内容が大人向けだったこともあり、興行収入9億6088万円で前作の『崖の上のポニョ』には及びませんでしたが、第5位と健闘しました。
松任谷由実さんが歌う主題歌「ひこうき雲」もストーリーにマッチして素敵でしたね。
【6位】借りぐらしのアリエッティ(2010)92.5億円
監督 | 米林宏昌 |
配給 | ディズニー、日テレ、電通、博報堂、DYMP、三菱商事、ワイルドバンチ、(東宝) |
観客動員数 | 750万人 |
2010年度興行収入邦画第1位を記録した『借りぐらしのアリエッティ』。
アメリカでの興行収入は、『崖の上のポニョ』を上回りジブリ作品では、最高記録となりました。
イギリスのファンタジー小説『床下の小人たち』が原作とあって、欧米の人には受け入れやすい作品だったようです。
この作品では、脚本は宮崎駿さんが中心にアイデアを出し、編集者の丹羽圭子さんが取りまとめるという体制をとりました。
【7位】ゲド戦記(2006)76.5億円
監督 | 宮崎吾朗 |
配給 | 日テレ、電通博報堂、DYMP、ディズニーディーライツ、(東宝) |
観客動員数 | 588万人 |
宮崎駿監督の息子・宮崎吾朗さんの初監督作品として公開前から注目されていた『ゲド戦記』。
しかし公開されるやいなや、2006年度の最低映画との評価を、映画評論雑誌5誌から下され、第63回ヴェネツィア国際映画祭では、現地の評判は最低ランクでした。
また原作者のル=グウィンは、
「絵は美しいが、急ごしらえで、『となりのトトロ』のような繊細さや『千と千尋の神隠し』のような力強い豊かなディテールがない。登場人物の行動が伴わないため、生と死、世界の均衡といった原作のメッセージが説教くさく感じる。」
と散々な言葉を残しています。
私も映画館へ見に行きましたが、ストーリーが分かりにくくワクワクする部分が少なく、少し退屈でした。
最後のテルーが秘密を明かすシーンも意味が分からず「ポカ~ン」としたことを覚えています。
【8位】猫の恩返し/ギブリーズ episode2(2002)64.6億円
監督 | 森田宏幸/百瀬義行 |
配給 | 徳間書店、ディズニー、日テレ、博報堂、三菱商事、(東宝) |
観客動員数 | 550万人 |
『耳をすませば』のスピンオフ作品『猫の恩返し』と百瀬義行監督の短編アニメ『ギブリーズ episode2』の同時上映が第8位にランクイン。
興行収入は64.6億円で2002年の邦画1位を記録しました。
『猫の恩返し』は75分と短い上映時間ながら、テレビ放送でこれまで6回放送されるなど人気のある作品です。
【9位】紅の豚(1992)47.6億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 徳間書店、JAL、日テレ、(東宝) |
観客動員数 | 304万人 |
「飛ばねぇ豚はただの豚だ」 のキャッチコピーで有名な『紅の豚』が、前作の『魔女の宅急便』に続いて劇場アニメ映画の興行成績1位を記録。
1992年公開の『紅の豚』以降のすべての作品が、東宝系の公開となりました。
それまで子ども向けに作られていた作品が多かったジブリですが、『紅の豚』は政治色のある大人向けストーリーとなっており、人気を博しました。
ジーナ(加藤登紀子さん)が歌う「さくらんぼの実る頃」、「時には昔の話を」もノスタルジックを感じる良い曲でしたね。
【10位】平成狸合戦ぽんぽこ(1994)44.7億円
監督 | 高畑勲 |
配給 | 徳間書店、日テレ、博報堂、(東宝) |
観客動員数 | 325万人 |
1994年の邦画・配給収入トップ26億円を記録し、いまなお根強い人気のある『平成狸合戦ぽんぽこ』。
タヌキが人間に化けたりするファンタジー要素がありつつも、環境破壊など描かれているものは非常に現実的。
タヌキたちの努力むなしく、多摩ニュータウン建設の工事が着々と進んでいく様子は、戦争の悲惨さを伝える『火垂るの墓』に通じるような作品です。
【11位】コクリコ坂から(2011)44.6億円
監督 | 宮崎吾朗 |
配給 | ディズニー、日テレ、電通、博報堂、DYMP、三菱商事、(東宝) |
観客動員数 | 355万人 |
『ゲド戦記』に続く宮崎吾朗監督作品の第2作目の『コクリコ坂から』。
『ラピュタ』や『もののけ姫』、『となりのトトロ』などのエンタメ要素は少なく物足りないという人もいますが、素朴な時代の人々を丁寧に描いており、ゲド戦記と比べ物にならない良作として評価されました。
【12位】魔女の宅急便(1989)36.5億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 徳間書店、ヤマト運輸、日テレ、(東映) |
観客動員数 | 264万人 |
『魔女の宅急便』は、『となりのトトロ』の赤字を取り返すべく急遽制作された作品です。
本作より宣伝戦略も周到になり、ヤマト運輸や日テレがスポンサーにつくようになり、テレビで大々的に宣伝されるようになりました。
その甲斐あって、『魔女の宅急便』は大ヒットしスタジオジブリと宮崎駿の名を世間に知らしめたのです。
【13位】思い出のマーニー(2014)35.3億円
監督 | 米林宏昌 |
配給 | ディズニー、日テレ、電通、博報堂、DYMP、三菱商事、KDDI、(東宝) |
観客動員数 | ー |
北海道を舞台に、イギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学作品を原作とした『思い出のマーニー』。
宮崎駿さんや高畑勲さんの2人が制作に一切 関わっていませんが、興行収入は35.37億円と健闘しました。
【14位】おもひでぽろぽろ(1991)31.8億円
監督 | 高畑勲 |
配給 | 徳間書店、日テレ、博報堂、(東宝) |
観客動員数 | 216万人 |
山形県を舞台に主人公のOL岡島タエ子が、過去と現在をいったりきたりしながら、自分の人生を見つめなおす『おもひでぽろぽろ』。
徹底的なリアリズムが貫かれており、大人になって見返すと心にグッとくるような作品となっています。
【15位】耳をすませば/On Your Mark(1995)31.5億円
監督 | 近藤喜文 |
配給 | 徳間書店、日テレ、博報堂、(東宝) |
観客動員数 | 208万人 |
柊あおいの漫画『耳をすませば』を原作にした同名映画で、高畑勲監督の作品のキャラクターデザインや作画を担当してきた近藤喜文さんが監督を務めました。
思春期の甘酸っぱい“恋”を描いた作品で女性を中心に人気があり、これまで11回もテレビ放送されています。
【16位】かぐや姫の物語(2013)24.7億円
監督 | 高畑勲 |
配給 | ディズニー、日テレ、電通、博報堂、DYMP、三菱商事、KDDI、(東宝) |
観客動員数 | ー |
高畑勲監督の遺作となった『かぐや姫の物語』。
コアなファンがついた反面、上映時間がやや長めな割にエンタメ要素が少なかったため、興行収入は振るいませんでした。
しかし、公開から時間が経ってから観客が増加する動きもあり、徐々に評価されていった作品です。
【17位】ホーホケキョ となりの山田くん(1999)15.6億円
監督 | 高畑勲 |
配給 | 徳間書店、ディズニー、日テレ、博報堂、(松竹) |
観客動員数 | 115万人 |
20億円の製作費をかけて大々的に封切られたのですが、興行収入は15.6億円に留まりました。
これは平成期のジブリの作品のなかでは、最も興行収入が低い作品となっています。
『ホーホケキョ となりの山田くん』は、ジブリの親会社である徳間書店社長と東宝がケンカしたため、松竹で公開されましたが、西日本には封切り映画館がほとんどありませんでした。
また東宝であれば、わざと中小の劇場で公開し行列え作り出し繁盛している風に見せるなどの戦略がありましたが、松竹は大型の劇場を用意しすぎてガラガラの印象をつけてしまいました。
しかし後のビデオ販売により『ホーホケキョ となりの山田くん』は黒字となっています。
作品自体は、日本テレビ会長が非常に気に入るなど評価されましたが、プロモーションがうまくいかず、このような結果となりました。
【18位】風の谷のナウシカ(1984)14.8億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 徳間書店(東宝) |
観客動員数 | ー |
宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作目で誰もが知る名作『風の谷のナウシカ』が18位とは意外に思う方が多いかもしれません。
しかし、この時代はまだスポンサーが付かず、公開当時はそれほどヒットしませんでした。
しかしテレビ放送は18回を数え、いずれも高視聴率を記録しビデオの売り上げもあり結果的には黒字となっています。
【19位】となりのトトロ/火垂るの墓(1988)11.7億円
監督 | 宮崎駿、高畑勲 |
配給 | 徳間書店、新潮社(東宝) |
観客動員数 | 80万人 |
同時上映された『となりのトトロ』と『火垂るの墓』でしたが、2作品で11.7億円、『となりのトトロ』だけだと配給収入が5.9億円と大赤字でした。
興行的には大失敗でしたが、そのおかげで赤字を補うため『魔女の宅急便』が制作されたので良かったですが(笑)。
しかし、地上波放送されるたびに高視聴率を記録し、キャラクターグッズは飛ぶように売れ、トトロがスタジオジブリのシンボルマークになるなど、ジブリの代表作となりました。
英誌Time Outでは「アニメ長編映画ランキング トップ50」で1位、トイ・ストーリーやファインディング・ニモの監督・ジョン・ラセターが、「人生で最も好きな映画」1位に選ばれるなど海外での知名度や評価も高い作品です。
【20位】天空の城ラピュタ(1986)11.6億円
監督 | 宮崎駿 |
配給 | 徳間書店、(東映) |
観客動員数 | 77万人 |
『天空の城ラピュタ』は、当時のドラえもんや、東映まんがまつりの興行収入をも下回り、ジブリ作品ワースト記録を記録しています。
しかし、ジブリ作品のなかでは1、2を争う人気作品であり、その後のビデオの売り上げなどにより黒字となっています。
これまで17回テレビ放送され、いずれも高視聴率を記録し、最近では主人公達が「バルス」というセリフを言ったときに、視聴者が一斉にTwitterに「バルス」の叫びを投稿する「バルス祭り」が恒例化するなど人気は衰えをしりません。
歴代ディズニー映画興行収入ランキングトップ50は⇒こちら
最後に
ジブリ作品の興行収入を見ると、初期の名作が下位になるという意外な結果となりました。
またトップ10の中の6作品が宮崎駿さんが監督した作品というのも興味深いですね。
そんな宮崎駿監督ですが、現在、宮崎駿の新作長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』を制作中です。
本作がまた記録を塗り替えるかも注目したいですね!