オリンピックの開会式・閉会式の入場場面で、先頭に立ち選手団を率いている旗手や主将。
そこでこの記事では、オリンピック歴代の旗手・主将の名前や成績を一覧にし、「活躍できない」、「メダルを獲れない」というジンクスは本当なのか、その理由についても検証してみました。
オリンピック歴代の旗手・主将・成績の一覧
1952-1988
年/開催地 | 主将/成績 | 旗手/成績 |
1952ヘルシンキ | 古橋廣之進 400m自由形8位 |
沢田文吉 棒高跳び6位 |
1956メルボルン | 竹本正男 体操団体総合銀、個人つり輪・平行棒・鉄棒銅 |
笹原正三 レスリングで金 |
1960ローマ | 糸山隆司 バスケットボール・不明 |
小野喬 団体総合金、個人鉄棒・跳馬金 |
1964東京 | 小野喬 体操団体総合金 |
福井誠 男子800m自由形リレー銅 |
1968メキシコシティ | 菅原武男 陸上ハンマー4位 |
遠藤幸雄 体操団体総合金、跳馬銀 |
1972ミュンヘン | 中村祐造 バレーボール金 |
篠巻政利 予選敗退 |
1976モントリオール | 加藤沢男 体操団体総合金、個人総合金、平行棒金 |
猫田勝敏 バレーボール4位 |
1980モスクワ | 不参加 | |
1984ロサンゼルス | 山下泰裕 柔道無差別級金 |
室伏重信 ハンマー投げ14位 |
1988ソウル | 斉藤仁 柔道95kg超級金 |
小谷実可子 アーティスティックスイミングソロ銅、デュエット銅 |
1992-2020
年/開催地 | 主将/成績 | 旗手/成績 |
1992バルセロナ | 古賀稔彦 柔道71kg級金 |
中田久美 バレーボール5位 |
1996アトランタ | 谷口浩美 男子マラソン19位 |
田村亮子 柔道48kg級銀 |
2000シドニー | 杉浦正則 野球準決勝敗退 |
井上康生 柔道100kg級金 |
2004アテネ | 井上康生 準々決勝敗退 |
浜口京子 レスリング72kg級銅 |
2008北京 | 鈴木桂治 敗者復活戦1回戦負 |
福原愛 卓球団体4位 |
2012ロンドン | 村上幸史 やり投げ予選敗退 |
吉田沙保里 レスリング55kg級金 |
2016リオデジャネイロ | 吉田沙保里 レスリング53kg級銀 |
右代啓祐 十種競技20位 |
2020東京 | 八村塁 バスケットボール |
須崎優衣 レスリング |
オリンピック旗手・主将のジンクスが生まれた理由は?
ここからは、オリンピックで旗手や主将を務めると「活躍できない」、「金メダルを獲れない」というジンクスが生まれた理由についてまとめてみました。
理由①調整不足
主将と旗手を務めた場合は、自分の競技日程が先であっても開会式の前には開催国に入っていなければなりません。
そのため練習や調整だけに専念することができないので、本番でうまく力を発揮できなくなる可能性があります。
理由②プレッシャー
主将や旗手を任されるということは、日本選手団の代表ということです。
そのため、「主将(旗手)だからメダルを獲らなければ」という意識が一層強くなりプレッシャーを感じやすくなります。
理由③開会式での疲労
開会式では、長時間待たされることは当たり前で、さらに旗手なら重い旗を持っていなければなりません。
試合までの間隔が短い競技に参加する選手ならば、疲労などで体の調整がうまく出来ない場合も考えられます。
理由④メダル圏内の選手が務めるとは限らない
主将や旗手を務めていれば、「メダル候補の選手だろう」というイメージがありますが必ずしもそうではありません。
主将や旗手を務める選手を選ぶ際には、経験や人望があるという点で選ばれる場合もありますので、メダルを獲れない場合も出てくるのです。
理由⑤番狂わせのイメージ
主将や旗手を務めた選手の中には、メダル確実と言われている選手や、連覇がかかっている選手もいますが、その選手が活躍できなかった場合は“番狂わせ”と言われます。
そのため、「主将や旗手をやるとメダルを獲れない」というイメージ一層が強く残り、ジンクスとなってしまったことも考えられます。
歴代の主将や旗手を見てみると意外にもメダルを獲っている選手は多いのですが、1996年~2014年までの4大会の主将がメダルを獲得できなかったのも一因となっているのでしょう。
最後に
これでオリンピック歴代の旗手・主将の成績やジンクスについてまとめを終わります。
主将・旗手を務めるということは名誉なことですが、プレッシャーや本番までの調整のリスクが伴うことが分かりました。
しかし、それにも負けず結果を残している選手が多くいることも事実です。
今後は、「主将や旗手になるとメダルを獲れる」というジンクスが生まれる活躍を期待しています。